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香港保険の返戻率に上限が設定される

  • 執筆者の写真: 鈴木
    鈴木
  • 6月5日
  • 読了時間: 3分

サンライフ社やCTFライフ社をはじめとした香港の貯蓄型保険は、日本では考えらえられないような返戻率が魅力となっています。


しかしながら、7月1日よりイラストレーション上の返戻率に上限が設けられます。


香港には、香港の保険会社を監視・管理している香港保険業監管局(Insurance Authority)があります。香港保険業監管局の主な役割は、香港保険業界の安定的な発展を促進し、保険契約者への保護を強化するために規制基盤を近代化し、保険監督者国際機構(IAIS)の要件である、保険規制機関は政府および保険業界から財政的および業務的に独立しているべきであるという要件を遵守することにあります。


簡単に言うと、国際的なレベルで要件を満たして、香港の保険業と契約者を守りながら発展していきましょうと言うことです。


7月1日から適用されるのは、participating insurance policies(いわゆる日本人の方が言う香港の貯蓄型保険もこれです)の返戻率(IRR)に上限を設けましょうというものです。


香港の貯蓄型保険は一般的に、保証された解約返戻金と非保証の解約返戻金と大きく分けて2種類の解約返戻金があります。

▼参考コラム『香港の保険商品の解約返戻金『非保証部分』って何?


確かに人気のあるCTFライフ社のマイウェルス2を見ると、支払期間や保険料にもよりますが、非保証部分を含む解約返戻金は30年で約6倍となります。そのうち、保証された解約返戻金の返戻率は払込保険料に対し、約100%です。


マイウェルス2は非保証部分の増え方がよいのですが、保証されている解約返戻金は100%を超えるとあまり増えません。


もちろん非保証部分の解約返戻金が将来全く払われないということは非常に考えにくいのですが、近年返戻率をめぐる保険会社間の競争が激化しており、市場の変動やリスクを十分に考慮しない過度に楽観的な予測を提示する保険会社もあるので、香港保険業監管局は、イラストレーション上の返戻率の上限を設定することで、強引な販売を防ぎ、公正な競争を促進しましょうというのが、今回の新たな規制の目的です。


正直、私も最近の香港の貯蓄型保険の返戻率を見て、本当にこの先何十年も非保証部分の解約返戻金がずーーっと達成率100%ということは難しいでしょうと思っていました。なので、個人的には保証された解約返戻金の増え方がよいものが好きです。


とは言え、この規制ができることで、実際の非保証部分の解約返戻金が予測を下回った時に、期待とのギャップが生じるリスクを減らせるでしょう。


具体的にはparticipating insurance policiesの香港ドル建て商品は6%、香港ドル建て以外の商品は6.5%のIRRが上限となります。イラストレーション上の返戻率に上限が設けられますが、実際に支払われる返戻金に上限が設けられるわけではありません。


6月末までに作成されたイラストレーションは、既存の返戻率が適用されますが、7月1日からは新しい規制が適用されたものになります。


※注意点※

例えば、『氏名を間違えてしまった』等でも、イラストレーションの発行日が7月1日以降であれば新しいイラストレーションになるので、要注意です。


まだ新しい商品やどれくらい解約返戻金の増え方が変わるのかは各保険会社から発表されていませんが、駆け込み需要もありそうですね。


▼香港保険業監管局のアナウンス








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