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世界競争力ランキング2023-国際経営開発研究所(IMD)日本と香港のランキングは?

  • 執筆者の写真: 鈴木
    鈴木
  • 2023年4月7日
  • 読了時間: 5分

更新日:2023年6月21日

6月20日、国際経営開発研究所(IMD)が『世界競争力ランキング2023』を発表しました。デンマーク、アイルランド、スイスが64ヶ国中トップ3に選ばれました。


▼世界競争力ランキング2023

2023年順位

国名・地域

1

デンマーク(―)

2

アイルランド(↑9)

3

スイス(↓1)

4

シンガポール(↓1)

5

オランダ(↑1)

6

台湾(↑1)

7

香港(↓2)

8

スウェーデン(↓4)

9

アメリカ(↑1)

10

アラブ首長国連邦(↑2)

香港は残念ながら、昨年から2つ順位を下げ総合7位となりました。


一方、、、日本は、、、、


35位!!!


昨年より1つ順位を落とし、過去最低を更新しました。

さらにショックなのは、日本はアジアの多くの新興国にランキングを抜かれているということです。


▼世界競争力ランキング2023 ーAsia Pacific

​2023年順位

国・地域

1

シンガポール

2

台湾

3

香港

4

オーストラリア

5

中国

6

マレーシア

7

韓国

8

タイ

9

ニュージーランド

10

インドネシア

11

日本

12

インド

13

フィリピン

14

モンゴル

日本語でニュースをみたり情報収集をしたりしていると、情報ソースが限られており、世界中の最新の出来事や状況を得ることができません。特に技術や研究、ツールをはじめ、多くの分野の最新情報やスキルも日本語では翻訳されているものがなかったり、何ヶ月や何年もしてから日本に導入されたりということも多々あります。


個人的な感覚ですが、日本語で得られる情報は、世界の5%以下だと思っています。


そのため、もしかしたら日本がどれくらい世界的に競争力を急速に失っているか気づいていない人も大勢いるでしょう。


世界競争力センター所長のアルトゥーロ・ブリス教授は、以下のように述べています。


「日本の競争力の再生は、流動性を高め、新たな人材を集め、高齢化の課題への政策の変更なしには難しい。中小企業の生産性の低さ、低い給与水準、DXの遅れもみられる。

従業員はリスキリングの機会や意欲も乏しい。次に取り組むべきは、男女間の差別的な扱いをなくし、非正規労働者に対する機会均等を実現することだ。日本のエグゼクティブたちがマネジメントへの自信を失い、悲観的になっているのも、順位の低迷の一因。その年の経済状況に関係なく、毎年似た傾向がある(プレスリリースより引用)」


筆者も上記のようなことを感じ、6年前に日本を離れ、香港で働き始めました。

当時日本で働いていた時に、すごく不満があったわけではありませんが、このまま日本で働き続ける危機感がありました。


香港と日本で働いて気付いたことをまとめました。

※あくまで個人的な感覚で何も根拠はありませんので、そうなんだぁ~くらいの気持ちで読んでください笑


給料

日本の会社員の場合、給料水準は低いですが、老後はまあまあ手厚い厚生年金が待っています。厚生年金保険料は毎月の給料やボーナスから計算された金額をご自身と会社が折半して払っています。香港も年金制度はありますが、受け取れる金額は、制度の仕組みが違うので寿命や運用にもよりますが、日本の厚生年金ほど会社側の負担はありません。


どれだけ長生きするかわからないので、それであれば厚生年金を廃止し、今もらえる給料を多くした方が社員もやる気がでるのでは、、と思ってしまいますが、そう簡単にはいかないんでしょうね。


給料でいうと、年収1本という言葉があるように日本では年収1000万円を超えると多いと捉えられることが多いですが、香港では倍の2000万~3000万円ではないでしょうか。


とは言っても、香港は格差が大きく、数千万と稼ぐ人も珍しくない一方、コンビニやファーストフィードの時給は日本よりも低いこともあります。


リスキリング

昨今の日本のニュースで、政府がリスキリングから転職まで最大56万円支援するというニュースを見ました。日本でリスキリングがメジャーではない理由としては、その機会が少ないのと学んだところで評価につながらないという思いがあるのではないでしょうか。


香港や諸外国では、大学が社会人向けに非常に充実した講義を設けていたり、オンラインのサービスでも多くの講義が設けられています。


例)HKU SPACE

香港大学の拡充教育施設として生涯学習、コミュニティーカレッジ、私立大学、国際学位などの分野で教養・専門知識、またキャリア向上に直結する高等教育等を広く提供 している教育機関です。


また、転職や給料交渉をして給料を大幅に上げるという方法もあるので学ぶモチベ―ションも高く保てるのではないでしょうか。


中小企業の生産性の低さ

これは中小企業だけではないでしょう。大企業にも言えることだと思います。

ルールが多かったり、無駄な会議やハンコが多かったり。。

日本の大手食品メーカーで働いた時にWEBサイトをリニューアルしたのですが、稟議書だけで、承認のハンコは7人くらい必要でした。(これだけでどれだけ時間がかかったんだか…)そして、多くの社員はぬるま湯につかっているというか、会社の売上を上げよう!会社をよくしよう!自分のスキルを上げようなんていう雰囲気はありませんでした。


香港の会社がそうじゃないかというと、これは極端に2極化していると感じます。

数千万円以上の給料がでる会社では(日本でもこのクラスの会社は同じだと思いますが)、非常に生産的に意欲をもって働く社員が多く、日本と比べ生産性が高いと言えるでしょう。


しかしながら、中小企業で働く香港人は日本人よりも真面目に働かない人が多いです。

例えば、何か仕事を依頼しても「それは私の業務範囲ではないのでやりません。」と言うことも珍しくはないです。”もらってる給料以上のことはしません”というのが彼らのスタンスです。あとは、スケジュール管理も無いに等しく、メールの返信ですら数日~1週間返ってこない、あるいは催促しないと返事が来ないということもあります。


とは言っても、ハンコ文化もないですし、意思決定のスピードは圧倒的に日本よりも早いと思います。



さて、世界競争力ランキングから見られる日本と香港の気になるところを上げてみましたが、いかがでしたでしょうか?


つらつらと書きましたが、日本の政府がもっとまともな政治を行い、意思決定・政策実行を早く行ったらもっと競争力が上がるのかもしれないですね。

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